トラベルスーパーアプリのMyRealTripが大手旅行会社のパッケージツアーを導入し、B2B2Cモデルへと進化しています。2026年に169億ドルに達する韓国旅行市場において、オンライン予約の割合は72%を占めています。起業家は巨大プラットフォームとの連携か、特化型ニッチ市場の開拓か、戦略的な選択が求められます。
トラベルスーパーアプリによる市場統合
韓国の旅行スーパーアプリであるMyRealTrip(マイリアルトリップ)は、教源ツアー、チャムチョウン旅行、ロッテ観光など、国内大手旅行会社のパッケージツアー商品を自社プラットフォームに導入しました。これは、個人旅行客(FIT)中心のサービスから、伝統的なパッケージ旅行の需要までを取り込む強力な「スーパーアプリ」戦略の一環です。2027年のIPOを見据え、MyRealTripは航空券、宿泊、アクティビティに加え、パッケージツアーを統合することで、顧客の旅行体験全体を囲い込む(ロックイン)効果を狙っています。
伝統的企業とスタートアップの融合
今回の事業拡大は、伝統的な旅行会社とITスタートアップ間の理想的なB2B2Cモデルを示しています。既存の旅行会社は、オフライン店舗中心の営業から脱却し、MyRealTripが抱える膨大なモバイルネイティブ層にアクセスできるようになります。一方、MyRealTripは、多大な資本と労力を要するパッケージ商品の企画を自社で行うことなく、プラットフォームの流通取引総額(GMV)を最大化できます。これは、プラットフォーム企業が既存産業のプレイヤーを競合ではなくパートナーとして取り込み、エコシステムを支配する優れた事例です。
データが示す旅行市場の成長機会
市場データは、このスーパーアプリ戦略の妥当性を裏付けています。韓国の旅行代理店サービス市場は2026年に169億ドル規模に達すると予測され、2036年までに年平均成長率(CAGR)9.9%で432億ドルに拡大する見込みです。特に注目すべきはオンライン予約の圧倒的なシェアであり、現在全体の72%がオンラインで行われています。また、ユーザーの78%がアプリを通じた割引特典を積極的に利用しています。2026年の出国者数が3,023万人に達すると予測される中、モバイルインターフェースと決済の利便性を備えたプラットフォームの支配力はさらに強まるでしょう。
起業家のための戦略的アクション
このような市場の変化の中で、スタートアップの起業家は以下の戦略を検討すべきです。
第一に、プラットフォームのレバレッジ活用です。ExpediaのようなグローバルOTAやMyRealTripのようなローカルスーパーアプリが市場を寡占する中、直接的なプラットフォーム競争は困難です。むしろ、独自のローカルツアーやニッチな体験商品を巨大プラットフォームに供給し、初期トラフィックを獲得するB2Bパートナーシップを優先すべきです。
第二に、超パーソナライズされたニッチ市場の開拓です。スーパーアプリが網羅しきれない領域、例えばシニア特化型のプレミアム旅行、ウェルネスツーリズム、K-POPなどの特定目的のインバウンド旅行(2025年のインバウンドは1,870万人と予測)など、ターゲットが明確なバーティカル市場を開拓してください。
第三に、AI基盤のオペレーション効率化です。大手プラットフォームと連携するためには、API連携、AIチャットボットによる24時間対応、動的価格設定(ダイナミックプライシング)などの技術インフラが不可欠です。データに基づく顧客の意図予測システムを構築し、利益率の確保とリピート率の向上に集中することが重要です。