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ATプロトコルSaaSの台頭:次世代ソーシャルインフラ

PeriwinkleがATプロトコル向けのマネージドホスティングを提供し、分散型SNSの参入障壁を下げています。4000万ユーザーを抱えるBlueskyエコシステムにおいて、起業家は独自のSNSを作るのではなく、インフラを提供するB2B SaaSモデルで新たな収益機会を創出できます。

ニュースPlatform & SaaS
公開日2026.03.09
更新日2026.03.09

PeriwinkleがATプロトコル向けのマネージドホスティングを提供し、分散型SNSの参入障壁を下げています。4000万ユーザーを抱えるBlueskyエコシステムにおいて、起業家は独自のSNSを作るのではなく、インフラを提供するB2B SaaSモデルで新たな収益機会を創出できます。

プロトコル・アズ・ア・サービスの台頭

最近、PeriwinkleはBlueskyの基盤技術であるATプロトコル(AT Protocol)ユーザー向けのマネージドホスティングサービスを立ち上げました。このサービスは、カスタムドメイン、自動バックアップ、分散型ストレージ、移行ツールを提供し、ユーザーが自身のサーバーでSNSアカウントを簡単に運用できるようにするものです。これは、技術的な知識がないユーザーでも分散型ネットワークに参加できる「プロトコル・アズ・ア・サービス(Protocol-as-a-Service)」の典型例です。起業家にとって、これはゼロから新しいSNSを構築するのではなく、成長中のプロトコル上に不可欠なインフラを構築するB2BおよびB2C SaaSの巨大な市場が生まれていることを意味します。

データが示すATプロトコル市場の現在地

2025年後半の時点で、BlueskyのATプロトコルネットワークは累計4020万ユーザーを突破しました。2024年10月の1300万人から爆発的に成長しており、毎日約1万7000人の新規ユーザーが流入しています。また、5万以上のコミュニティ主導のフィードアルゴリズムが作成されています。

しかし、起業家が注目すべきは課題を示すデータです。現在、デイリーアクティブユーザー(DAU)は150万〜350万人にとどまり、登録ユーザー全体のわずか8〜9%に過ぎません。さらに、MetaのThreadsなどの巨大プラットフォームとの競争により、前年比でDAUが40%減少するというボラティリティも経験しています。これは、エコシステム自体は拡大しているものの、ユーザーのリテンションを高めるための高度なツールや周辺サービスが圧倒的に不足していることを示しています。

Threadsなどの巨大プラットフォームとの対峙

Threadsが圧倒的な規模で市場を牽引する中、ATプロトコルの最大の武器は「データ所有権」と「アカウントのポータビリティ(移行性)」です。Mastodonは連合型(Federated)モデルを確立しましたが、サーバー間のシームレスな移行には課題がありました。一方、ATプロトコルは、ユーザーがフォロワーやコンテンツを維持したまま、異なるPersonal Data Server(PDS)へ移動することを可能にします。Periwinkleはまさにこの技術的優位性をビジネス化しました。起業家は、プラットフォームへの依存を嫌うクリエイターや、データプライバシーを重視する企業をターゲットに、この領域でニッチなSaaSを展開すべきです。

起業家のための戦略的アクションプラン

この市場環境において、SaaS起業家や開発者が取るべき具体的なアクションは以下の通りです。

第一に、「ツルハシとシャベル」戦略を採用することです。Periwinkleのようなホスティングサービスだけでなく、ATプロトコルのFirehose(全投稿のリアルタイムストリーム)を活用した分析ダッシュボード、AIによるコンテンツモデレーションツール、複数SNSへの自動投稿SaaSなどを開発してください。

第二に、TypeScript SDKを活用した迅速なMVP開発です。現在のATプロトコルの開発ツールは非常に洗練されており、わずか数行のコードで認証や投稿機能が実装できます。毎日流入する1万7000人の新規ユーザーのうち、特定のニッチなニーズを持つ層(例:特定の業界のクリエイター)に向けたマイクロSaaSを迅速に立ち上げましょう。

第三に、2026年のロードマップへの先行投資です。動画サポートやダイレクトメッセージ(DM)機能の実装が予定されています。これを見越して、動画用の分散型ストレージ最適化ツールや、プライベートメッセージのセキュリティ管理ツールを今から仕込んでおくことで、次なる成長の波に確実に乗ることができるでしょう。