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Miridiの売上6.4倍成長とIPO戦略:起業家への示唆

デザインプラットフォームMiridiが2025年に942億ウォンの売上を達成し、6年間で6.4倍の成長を遂げました。独自AI「MiriNet」とグローバル展開への積極投資が成長を牽引。営業赤字を許容してスケールアップを優先する彼らの戦略は、プレIPO期の起業家にとって重要なベンチマークとなります。

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公開日2026.04.03
更新日2026.04.03

デザインプラットフォームMiridiが2025年に942億ウォンの売上を達成し、6年間で6.4倍の成長を遂げました。独自AI「MiriNet」とグローバル展開への積極投資が成長を牽引。営業赤字を許容してスケールアップを優先する彼らの戦略は、プレIPO期の起業家にとって重要なベンチマークとなります。

6年連続の過去最高売上:942億ウォン達成の背景

デザインプラットフォームを展開するMiridiは、2025年の売上高が前年比21%増の942億ウォンに達したと発表しました。これは2020年の147億ウォンから6.4倍という驚異的な成長です。主力サービスであるビジュアルコミュニケーションツール「MiriCanvas」は累計ユーザー数2,000万人を突破し、オンラインデザイン・印刷コマースの「Bizhows」も270万人以上のユーザーを獲得しています。この急成長の裏には、短期的な利益よりも中長期的な市場シェア拡大と技術力強化を優先する、アグレッシブな投資戦略があります。

独自AIエンジン「MiriNet」による技術の内製化

グローバルなデザインツール市場では、Canva(月間アクティブユーザー1億7000万人以上)やAdobe Expressなどの巨人がAI機能を武器にシェアを拡大しています。これに対抗するため、Miridiは外部APIに依存するのではなく、独自のAIエンジン「MiriNet(ミリクルネット)」の開発に巨額を投じています。このAIは、テンプレートの自動化、多言語展開におけるローカライゼーション、コンテンツ生成の効率化に貢献しています。自社でコア技術を保有することは、他社との差別化要因となるだけでなく、IPOに向けた企業価値(バリュエーション)の向上に直結する重要な戦略です。

営業赤字を許容したグローバル展開とIPOへの布石

現在、Miridiは9カ国語をサポートし、米国、アジア、欧州、南米などグローバル市場への展開を進めています。特に2026年に向けては、米国、日本、ブラジル市場での浸透率を高めるため、マーケティングとAI人材の獲得に大規模な投資を行っています。その結果として営業赤字が発生していますが、これは2027年のIPOを見据えた「計画された赤字」と言えます。2024年にはKB証券を主幹事に選定し、上場準備を本格化させています。また、会計基準をK-GAAPからIFRS(国際財務報告基準)へ自主的に移行したことは、財務の透明性を高め、国内外の投資家からの信頼を獲得するための優れた一手です。

起業家のための戦略的アクションアイテム

Miridiの成長軌道は、プレIPOフェーズのスタートアップにとって多くの学びを提供しています。起業家は以下のポイントを自社の戦略に組み込むことを検討すべきです。

1. コア技術のIP化(知的財産化): オープンソースや外部APIの利用は初期の立ち上げには有効ですが、スケールフェーズではMiridiの「MiriNet」のように、自社独自の技術基盤を構築することで参入障壁を築き、企業価値を高める必要があります。

2. スケールアップのための「計画的赤字」の許容: PMF(プロダクト・マーケット・フィット)を達成し、グローバル展開の道筋が見えたならば、短期的な黒字化よりも、マーケティングやR&Dへの集中投資による圧倒的なシェア獲得を優先する決断も必要です。

3. 財務・ガバナンスの早期高度化: 将来的なIPOやグローバル投資家からの資金調達を見据え、IFRSの導入など、早い段階から財務報告の透明性とガバナンス基準をグローバル水準に引き上げておくことが推奨されます。