韓国政府が2026年に過去最大となる約3.4兆ウォンの起業支援予算を投じる中、初期投資専門VCのTheVenturesがソウルの「みんなの起業」運営機関に選定されました。資金の二極化が進む中、起業家はディープテックとグローバル展開を軸にした戦略が求められます。
過去最大の予算と深まる「死の谷」のパラドックス
ソウルのスタートアップ・エコシステムの価値は、2020年から2024年のわずか4年間で5倍に成長し、2,370億ドルに達しました。これを受け、韓国政府は2026年の起業支援予算として過去最大規模の3兆4,645億ウォン(約26億ドル)を編成しました。しかし、この華やかなマクロ指標の裏には厳しい現実があります。資金が検証済みのレイターステージ企業に集中する一方、初期段階のスタートアップ向けの資金は枯渇しつつあり、「死の谷(Valley of Death)」はかつてないほど深くなっています。
TheVenturesの選定が意味するエコシステムの変化
このような初期投資の厳冬期において、グローバル初期投資専門VCである「TheVentures」が中小ベンチャー企業部の「みんなの起業プロジェクト」ソウル地域の公式運営機関に選定されたことは重要です。TheVenturesは過去2年間で約50社のTIPS(民間投資主導型技術創業支援)採択企業を輩出した実績を持ちます。アイデアの発掘から技術検証(PoC)、プロダクトマーケットフィット(PMF)の探索までを密着支援する彼らのアプローチは、政府の支援が「計画書ベース」から「マイルストーン達成ベース」へと転換していることを示しています。
2026年の資金調達の鍵:ディープテックとグローバル
今年の資金調達のルールは明確です。新規資金の40%が科学技術ベースのベンチャーに集中し、ディープテック・パッケージだけで8,000億ウォンが割り当てられました。AI、ロボティクス、バイオ、クリーンテックなどの分野の起業家は構造的な優位性を持っています。
また、グローバルな売上ポテンシャルが資金提供の重要な基準となっています。2026年のCESイノベーションアワードの約60%を韓国のスタートアップが占めたことからもわかるように、技術力を背景とした初期からのグローバル展開は必須条件となっています。
起業家のためのアクションアイテム
- 実績ある運営パートナーの確保: TheVenturesのような、PMF探索とTIPS連携に強い民間VCのプログラムに積極的に参加してください。政府の補助金だけでは「死の谷」を越えることは困難です。
- マイルストーン中心の事業計画: 資金を得るためだけの計画ではなく、次のラウンドの投資を引き出すための具体的なマイルストーン(PoCの成功など)を提示する必要があります。
- Day 1からのグローバル戦略: 国内市場向けのB2Cサービスでは資金調達の難易度が跳ね上がります。初期段階からグローバルな拡張性をビジネスモデルに組み込んでください。