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規制・政策

研究者の起業株式規制、韓国も数十年遅れで緩和に動いた

公開日: 2026-08-22

出捐研究機関起業利益相反防止法ディープテック技術移転創業者株式

株式を持ったまま研究職に残れるようになった

韓国国会は8月20日の本会議で、政府出捐研究機関の設立・運営に関する法律の改正案と、KAIST・GIST・DGIST・UNISTの4大科学技術院法の改正案を可決した。発議者は与党のチョ・インチョル議員。核心は利益相反防止法第2条第6号バ目の適用範囲を狭めたことにある。出捐研究機関や科学技術院に所属する研究者が、自分の所属機関の技術で起業したり企業に技術移転したりして得た株式・持分・出資金は、今後「私的利害関係者」の判断材料から外れる。起業後にその会社へ助言したり業務を提供したりすること、場合によっては役職に就くことまで認められる範囲に入った。ただし国家研究開発革新法上の研究支援人材はこの特例の対象外だ。

起業件数が2020年の62件から2024年の25件に落ち込んだ理由

この条項一つがなぜ国会まで上がったのか、出捐研究機関の内部で起きていたことを見ればわかりやすい。2022年に公務員の利益相反防止法が施行された後、韓国科学技術研究院(KIST)は起業休職から復職する研究者に株式処分を求め、株式を維持する場合は研究職ではなく企業支援部署への復職しか認めなかった。韓国標準科学研究院も起業者の課題責任を制限しつつ、復職時の株式処分規定を新設した。研究者にとっては起業を諦めるか、そもそも退職するかしか選択肢がなかったわけだ。その結果は数字にも表れた。出捐研究機関発の起業件数は2020年の62件から2024年に25件へ60%以上減り、研究所企業への出資審査は2021年の26件から2023年に6件へ、さらに急な角度で落ちた。

日本や米国ではとっくに管理の問題だった

これは韓国だけが特殊だったわけではなく、順番が遅かっただけとも言える。日本では大学等技術移転促進法(TLO法)が1998年に施行されて以来、大学や国立研究開発法人が研究成果を企業に移転し、その対価として株式を取得・保有する枠組みが整っている。産業技術総合研究所や理化学研究所も、研究者の起業と利益相反マネジメントを両立させる規程を運用してきた。米国も1980年のバイ・ドール法以来、スタンフォードやMITのような大学が発明者である教員に出資先企業の株式保有を認め、開示ベースの利益相反管理でバランスを取ってきた。つまりこの4年間、韓国だけが「株式を持つこと自体が違反」という一段厳しいルールを敷いていたことになる。国内で出捐研究機関の研究者を共同創業者や技術顧問として迎えたいディープテック企業にとって、今回の改正はその足かせが外れた実務上の変化だ。

まだ残る制約と確認されていないこと

留意すべき点も残る。改正案が8月20日の本会議を通過した事実は複数の報道で確認できたが、正確な公布日・施行日はまだ官報に掲載されていない。契約を急ぐより先に、韓国の国家法令情報センターで施行日を確認する順番になる。また今回の特例は利益相反防止法そのものを免除するものではなく、起業・技術移転で得た株式という狭い範囲にだけ適用される。国家研究開発革新法上の研究支援人材は従来どおり規制の対象で、公務員の兼職制限や営利業務禁止といった他の条項もそのまま生きている。契約書に「利益相反規制が解消された」とだけ書いておくと、後で争いの余地が残る。